3周年を迎えて−後編−

※続きです。先にこちらの前編をお読みいただけると嬉しいです。

3年目 ルート治療と空ルート

2024年2月、サロンが2周年を迎えた頃、おそらく25年ぶりにインフルエンザにかかりました。
ご予約いただいていたお客様にお詫びとキャンセルのご連絡をし、1週間ほどサロンをお休みすることに。
思いがけず時間ができたことで、自分自身と向き合うきっかけとなりました。

セラピストは、心と体を整えるお手伝いをする仕事。
けれど、自分自身はどうだったかな?
ちゃんと、自分を大切にできていたかな?
そんなふうに問い直す時間になりました。

そして、ルート治療と出会い、空ルートの存在を知ります。
通い始めた頃は、ただ痛みに耐えるばかりで何が起きているのか分からなかったけれど、回を重ねるごとに、少しずつ変わっていく自分に気づきはじめました。
身体だけでなく、心や思考にも変化が現れ、その感覚がおもしろく、嬉しくて。
「わたしにもできるならやってみたい」そう思うようになり、鍼を使わないルート治療「空ルート」の講座を受講することを決めました。

Reset & Restart

空ルートを習得したことで、サロンの在り方を見つめ直す大きなきっかけが訪れました。
そのひとつが、シロダーラをメニューから外すという決断でした。

アーユルヴェーダと聞いて、額にオイルを垂らすシロダーラを思い浮かべる方は少なくありません。
オープンから2年半のあいだ、「一度受けてみたくて」とご予約くださる方がたくさんいらっしゃいました。
アーユルヴェーダサロンはまだ数が少なく、名古屋でシロダーラを受けられる場所は限られています。遠方から足を運んでくださる方もいました。

だからこそ、このメニューをなくす決断には、たくさん悩み、迷いもしました。

「どうしてやめたの?」と聞かれることもありますが、その理由をすべてお話しするつもりはありません。
ただ、これからは自分の心に正直でいたい。
その想いを大切にして、サロンのメニューをリニューアルすることに決めました。

シロダーラ、初回限定コース、回数券や次回予約の特典もすべていったんリセット。
そして、空ルートの導入を機に、新たに3つのコースを設け、それぞれに名前をつけました。
料金も「通常価格」と「リピーター様価格」のみ。とてもシンプルな仕組みに整えました。

新メニューRadiant

コース名は、内容にふさわしい言葉かどうか、覚えやすいか、そして口にしたときの響きのやさしさや、声にのせたときの心地よさを大切にして決めました。
Nourish(ナリッシュ)とPurify(ピュリファイ)はすんなり決まりましたが、Radiant(ラディアント)はなかなかしっくりくる言葉が見つからず、最後まで悩みました。
でも、この言葉がふと浮かんだ瞬間、「これしかない」と確信できるほど輝いて見えたのです。まさにその名の通り、Radiant(光り輝く)な存在でした。

空ルート(エネルギー療法)と薬草オイルによるアビヤンガを組み合わせたこのコースは、今のわたしがご提供できる、最高のトリートメントです。

当初は前半に空ルート、後半にアビヤンガという流れで組み立てていましたが、今はその垣根をなくし、お身体の状態に合わせて織り交ぜながら施術しています。
空ルートを多めに行う部分もあれば、薬草オイルでじんわりと深くほぐしていく場面もあり、毎回まったく同じ内容になることはありません。

Radiantは、これからも「ひとつの形」にとどまることなく、進化し続けるトリートメントです。
今は空ルートとアビヤンガの融合ですが、それもまた、今後変わるかもしれない。
けれど、そのときどきの「わたしにできる最善」を、誠実にお届けしていきたいと思っています。

おわりに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

4年目を迎えた今、ようやく少しずつ「セラピストらしくなってきたかな」と感じられるようになりました。
アーユルヴェーダに出会ってもうすぐ6年、サロンを始めて3年、そしてセラピストという仕事は10年目。
飽きっぽい性格のわたしが、こうして続けてこられたのは——
アーユルヴェーダという深く美しい学びに出会えたこと、
セラピストという仕事に日々やりがいを感じられていること、
そして何より、サロンに通ってくださる皆さまの存在があったからです。

4年目は、また新たな学びを始める予定です。
足を運んでくださるおひとりおひとりに、少しずつでも還元していけるよう、これからも精進してまいります。

今後とも、Ayurveda salon jnanam をどうぞよろしくお願いいたします。

Ayurveda salon jnanam
satoco